税制改革、8月休会前の議会承認望ましい=米財務長官

2017年2月24日(金)05時27分

[23日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は23日、税制改革は「非常に重要」とした上で、議会が8月の休会前に承認することが望ましいとの考えを示した。トランプ政権として国境税の問題について検討を重ねていることも明らかにした。

長官はCNBCとのインタビューで「税制改革案の法制化に注力しており、極めて大規模なものになる」とし、「われわれは税制改革を公約に掲げている。8月の休会前に片を付けたい」と指摘。「これまで上下両院の指導部と緊密に協議しており、複合案を検討中だ」と語った。さらに、政権として中所得層への減税や法人課税の簡素化に重点を置いているとした。だがその後出演したフォックス・ビジネス・ネットワークで、休会前の成立はかなり野心的な目標であることを認めた。

計画を明らかにする時期については明言しなかった。

長官がテレビ番組のインタビューに応じるのは就任以来初めて。税制改革は「最優先課題」と位置づけているが、今回の発言は、中核部分に関し依然かなりの取り組みが必要なことを示唆した。

トランプ大統領は3月上旬までに「驚くべき」税制改革案を公表すると表明、米株価を最高値圏に押し上げてきたが、投資家は詳細を欠く状況にしびれを切らしつつある。

ムニューシン長官が税制改革について目新しい情報を提供しなかったことで、ドルは主要通貨バスケットに対し下落。米国債利回りは低下した。

国境調整税については、輸入品に20%課税する下院共和党の案に対し、上院共和党の一部が反対している。長官はプラスとマイナスの両方の要素があるとし、「人々の懸念を勘案し、成長に焦点を置いた内容にする」と述べた。

富裕層向けの減税も可能性を排除しなかったが、控除など他の優遇措置を減らすことで相殺するとした。

トランプ政権は税制改革の他、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しでも議会と合意点を探っていると述べた。

長官は出演した両方の番組で、トランプ政権の税制改革により、米成長率が2016年の1.6%から2018年終盤までには3%を上回る水準に加速するとの見通しを示した。税制改革や規制緩和による成長押し上げ効果は来年まで本格化しない公算が大きいとも述べた。

また低金利環境を踏まえると、「極めて小幅なプレミアムで」期間50─100年といった超長期債の発行を財務省として検討することは「理にかなう」と語った。ただ、まだ発表できる用意はないとした。

これに先立ち、長官は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、強いドルは米経済の相対的な強さ、米経済への信頼を反映しており、長期的には「良いこと」と述べている。これに関連し、短期的なドル高はトランプ政権の「経済政策への楽観を反映している」と述べた。

トランプ大統領が就任初日に中国を「為替操作国」に認定すると発言していたことをめぐっては、財務省の通常の手続きに沿って主要貿易相手国の為替政策を審査する考えを示した。米財務省は4月15日までに、為替報告書を提出する必要がある。

また米輸出入銀行による融資額の上限を引き上げた場合の効果について検討していることを明らかにした。だがトランプ政権は単に大企業に補助金を提供することには関心がないとした。

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