16/17年度の英財政赤字、削減額が目標上回る見通し=EY

2017年2月20日(月)13時32分

[ロンドン 20日 ロイター] - 英EY(アーンスト・アンド・ヤング)のシンクタンクであるアイテムクラブは20日、英国の2016/17年度(16年4月―17年3月)の財政赤字について、削減額は目標を30億ポンド(37億ドル)上回るとの見方を示した。最近の経済成長が予想を上回っていることが要因だという。

ハモンド財務相は3月8日に新年度予算案を公表する予定。同相は16/17年度の財政赤字目標を昨年11月に682億ポンドとし、オズボーン前財務相が欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票前に掲げていた555億ポンドから修正していた。

アイテムクラブのエコノミストらは、長期的な財務赤字見通しは厳しいものの、予算責任局(OBR)が新たに予想した650億ポンドの削減は妥当だとみている。アイテムクラブのマーティン・ベック氏は「OBRは短期的な英国経済と財政に関して若干明るい見通しを描くだろう。ただ、財政政策は長期的に歳入、歳出の両面で大きな困難に直面している」との見方を示した。

同国の昨年の財政赤字は国内総生産(GDP)比4%と、主要国の中で最大級だった。OBRは現在、19/20年度まで1%に低下する見込みは低いとしている。

ベック氏はさらに、OBRが17年の経済成長率を1.4%から引き上げ1.6%にすると予想した。前週公表されたロイター調査によるエコノミスト予想の中央値は1.5%だった。イングランド銀行(英中央銀行)は2.0%と予想している。

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