ECB、指標の短期的な動きに動じず 緩和を維持=プラート専務理事

2017年2月3日(金)04時47分

[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は2日、ユーロ圏インフレ率の急速な上昇は一時的なものに過ぎず、ECBは経済指標の短期的な動きに動じることなく動向を注視し続けるとの考えを示した。

同専務理事は毎月のデータの上下の動きについて「一時的なもので、かつ中期的な物価安定に影響を及す種類のものでなければ関連性はない」とし、「金融政策による継続的な支援が必要になる」と述べた。

そのうえで「現在は、インフレ率が中期的に2%に近い水準で推移する状態に向けた持続的な調整軌道には達していない」とし、「インフレがわれわれの物価安定目標に沿う水準近辺で安定するまでには時間がかかる」と述べた。

ユーロ圏の消費者物価指数は1月は前年同月比1.8%上昇。エネルギー価格の急伸を受け、伸び率は前月の1.1%を上回った。ただ食品・エネルギーを除くコアインフレ率は前年比0.9%と、前月から横ばいとなった。

プラート専務理事は「ECBはインフレの過渡的な変化は重視せず、基調的なインフレの力学に焦点を当て続ける」とし、「金融政策をめぐる戦略を引き続き堅持する」と述べた。

このほか、米新政権が示している保護主義的な政策が景気見通しに影響を及ぼす可能性もあるとし、「米国が発信しているシグナルを懸念している」と述べた。ただ、最終的にはすべてが理性的になるよう望んでいると述べた。

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