中国不動産投資、2016年は+6.9% 販売は7年ぶりの高い伸び

2017年1月20日(金)15時33分

[北京 20日 ロイター] - 中国国家統計局が20日発表した2016年の中国不動産投資は、前年比6.9%増加した。大都市の不動産ブームで、販売の伸びが7年ぶりの高水準になった。

約40の事業分野に直接的な影響を及ぼす不動産投資は、中国経済にとって極めて重要な推進役とされる。同日発表された16年国内総生産(GDP)は前年比6.7%増で、予想と一致した。

16年の不動産販売(床面積ベース)は22.5%増だった。

ロイターの推計によると、12月の不動産投資は11.1%増加。一部の大都市では住宅価格がさらに冷え込む兆しが出ているが、11月の5.7%増から加速した。

不動産販売も、11月の落ち込みにつながった大都市での購入規制がある中で増加。12月は床面積ベースで11.8%増となり、前月の7.9%を上回った。

さらに、不動産開発業者の景況感を示す新設住宅着工件数は、12月に12.5%増。11月は3.3%増だった。

ただ、昨年の成長下支えに不動産市場が大きな役割を果たしたとはいえ、この日発表された不動産投資の数字はなお記録的な低水準にある。

一方で、当局は投資が過熱する都市で住宅購入規制を相次いで導入し、価格抑制を急いでいる。政府系シンクタンクによると、こうした規制は17年中は続く見通しで、政府は投機を防ぐため長期的なメカニズムを開発する意向だという。

不動産コンサルタント会社ナイト・フランクのリサーチ部門代表、デービッド・ジー氏は、中国国内で投資の選択肢が限られていることから、不動産への投資は依然人気があると指摘。「現行規制にも関わらず、不動産投資は打撃を受けていない」との見方を示した。

一部のアナリストは、米中の通商摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱が中国経済に影響を与えることを懸念。さらに、不動産市場が2017年に中国経済の足かせになると警戒している。

一方、国家統計局の高官はこの日、中国の不動産市場は2017年も「健全な発展」を続けるとの見方を示した。

*内容を追加します。

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