米新規失業保険申請23.5万件に減少、43年ぶり低水準に迫る
[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した昨年12月31日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比2万8000件減の23万5000件だった。市場は26万件を予想していた。昨年11月中旬には1973年11月以来43年ぶりの低水準となる23万3000件をつけているが、それに迫る数字だった。労働市場が今後も引き締まり続ける可能性を示唆している。
前週の数字は当初発表の26万5000件から2000件少ない26万3000件に改定された。
年末年始の休みにかかったことから、今回の新規申請件数は6州とひとつの自治領の数字が推計値だった。労働市場の力強さが誇張されて反映されている可能性がある。
週ごとの変動をならし労働市場の実態をより正確に反映するとされる4週移動平均は、31日までの週で5750件減の25万6750件だった。
失業保険の新規申請件数は、健全な労働市場の目安となる30万件の節目を96週連続で下回り続けている。これはまだ労働市場が今より相当小さかった1970年以来の記録だ。
集計が1週遅れる失業保険受給の総件数は、24日までの週で1万6000件増の211万2000件だった。4週移動件数は2万6250件増の206万7000件だった。
失業率が約9年ぶりの低水準である4.6%にまで改善するなど、米国の労働市場は最大雇用状態か、あるいはそれに近い水準にあるとされている。労働市場が引き締まっていることや、物価が徐々に上昇しつつあることは、連邦準備理事会(FRB)が政策金利であるフェデラルファンド金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げて、年0.50-0.75%とすることを可能にした。
FRBは今年3回の利上げを想定している。4日に公表された昨年12月13-14日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は、利上げペースが労働市場と財政政策の状況によって決まることを示唆した。
労働省のアナリストらは、今回の失業保険申請のデータに影響するような特殊要因はなかったとしている。6日に発表される雇用統計の調査期間からも外れており、雇用統計との関連性もない。ロイターのエコノミスト調査によると、12月の非農業部門の新規就業者は11月と同じ17万8000人が見込まれている。
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