中国の資本規制強化、企業活動の妨げと欧米の商工会議所が懸念

2016年12月7日(水)17時01分

[北京 7日 ロイター] - 中国の規制資本規制強化について、海外への資金移動に対する障壁となっているとの声が欧米企業からあがっている。一部では配当支払いに影響がでているという。

中国規制当局は過去数週間、人民元の下落圧力が増すとの懸念から外貨取引や資金流出の規制強化に乗り出した。

在中国の欧州連合(EU)商工会議所によると、外為当局は先週銀行に対し、「資本勘定からの資金移動や配当支払いに関する承認基準を引き上げ、海外への資本流出を規制する」よう窓口指導を行った。

人民元建てであれ外貨建てであれ、500万ドル相当以上の資金移動に影響が及んでいる。

ロイターも先週、国家外為管理局(SAFE)が外貨送金で届け出が必要な水準を500万ドルに引き下げたと報じた。

EU商工会議所のブトケ会頭は「窓口指導はEU企業の通常の活動にとって大きな妨げだ。中国の投資環境の予測に対する不透明性を不必要に高めるものでもある」と述べた。

米国商工会議所も、中国による資本流出の管理強化について、「承認基準の強化が会員企業の資金移動能力に影響し負担が増すことを懸念している」とコメント。

ジマーマン会頭は「引き続き状況の推移を注視し、SAFEから今後のプロセスや手続きに関する説明や指導を求める」と述べた。

規制強化を受け、国内外の企業の間では、海外への資金移動が容易にできなくなり、企業活動に支障がでることへの懸念が強まっている。

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