ドイツ銀の第3四半期は純利益2.7億ユーロ、債券取引増加で

2016年10月27日(木)18時56分

[フランクフルト 27日 ロイター] - ドイツ銀行が27日発表した第3・四半期決算は純利益が2億7800万ユーロ(3億0300万ドル)となった。債券取引が大幅に増加したことが寄与した。

ドイツ銀は「金融危機前の住宅ローン担保証券(RMBS)事業に関する調査を終結させるための米司法省との協議は続いている」と説明した。

クライアン最高経営責任者(CEO)は電話会見で「今四半期はRMBS問題で司法省の和解提案をめぐる協議に注目が集まり(業績に)影を落とした。これにより不透明感が生じた」と述べた。

同CEOは社員に宛てた書簡で「残念ながら当面は困難な状況が続くことを想定しなければならない」とし、罰金について「できるだけ早期に」協議をまとめるよう努力していると述べた。

第3・四半期は約4400億ユーロ相当の資産を有していた個人向け小口金融と富裕層向けサービス部門で預かり資産が90億ユーロ減少した。現在は資金流出は落ち着いているという。

クライアンCEOによると、手元資金は2000億ユーロとなった。9月末時点では2150億ユーロ超、6月は2230億ユーロだった。

法的費用引当金は6月末時点の55億ユーロから59億ユーロに積み増した。

収入は75億ユーロと小幅増加し、アナリストの予想を上回った。トレーディング収入の増加が支えとなる一方、他の事業は低金利環境で軒並み前年の水準を割り込んだ。

債券トレーディングによる収入は14%増加した。ただドイツ銀は債券取引部門を縮小しているため、押し上げ効果は他社と比べて小さかった。

一方、株式取引による収入は減少した。市場の動きが小さく投資家が積極的な取引を控えた。

法人向け大口取引部門と投資銀行部門の収入は1%減少した。

*記事を加筆し、カテゴリー・写真を追加しました。

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