米テスラ7─9月期は3年ぶり黒字、CEO「モデル3で増資不要」

2016年10月27日(木)08時51分

[サンフランシスコ 26日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズの第3・四半期決算は約3年ぶりの黒字を計上した。

メーカーに一定比率の排ガスゼロ車(ZEV)の販売を義務付けるカリフォルニア州でのZEVクレジット(排出権)の販売で1億3900万ドルを売り上げたことが黒字に大きく寄与した。

マスク最高経営責任者(CEO)は、第4・四半期も利益を計上するとの見方を示した。

純利益は2190万ドル(1株当たり0.14ドル)と、前年同期の損失2億2990万ドル(同1.78ドル)から黒字に転じた。純利益が最後に黒字となったのは2013年第1・四半期。

調整後の1株利益は0.71ドル。前年同期は1.35ドルの赤字だった。調整後の1株損益が黒字となるのは2014年第3・四半期以来。

総売上高は倍増超の23億ドルだった。

テスラは、大衆向けEV「モデル3」について2017年後半の納車予定を再度確認した。

マスクCEOは、現計画で「モデル3生産に当たり資金調達の必要は全くない」と語り、来年のモデル3生産開始にかかるコストが大幅に削減されたことを示唆した。一方、事業のリスクを減らすために資金を調達する可能性はあるとした。

マスク氏は、短期的には蓄電容量を100キロワット時とした新型モデルSの売り上げが業績を左右すると語った。

テスラは2016年下期の納入台数見通しを堅持。第4・四半期の納車は2万5000台強と予想した。月初に発表した第3・四半期の納車台数は前期比70%増の2万4500台だった。

総経費は32.7%増の5億5110万ドル。

9月末時点の現金および現金同等物は30億8000万ドル。第2・四半期末は32億5000万ドルだった。

同社は今年の設備投資額を従来目標から約20%引き下げ、18億ドルとし、うち約10億ドルは現四半期に投じると発表した。

第3・四半期の黒字転換と無駄を省いた設備投資計画は、CEOが増資を決めた際の資金確保に有利に働く可能性がある。

米株式市場引け後の時間外取引でテスラの株価は終値から6.2%上昇した後、やや戻して4%高で推移している。

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