前場の日経平均は続伸、業績懸念後退 JR九州は好発進

2016年10月25日(火)11時59分

[東京 25日 ロイター] - 前場の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比106円73銭高の1万7341円15銭となり続伸した。前日の米国株高を好感した買いが先行。業績の下振れ観測報道が出たマツダ、富士重工業が、悪材料出尽くし感から上昇したことや、東証1部に新規上場したJR九州が堅調な滑り出しとなったことが投資家心理の改善に寄与した。

日経平均は取引時間中としては4月28日以来、約半年ぶりに1万7300円台を回復した。ただ騰落レシオ(東証1部、25日平均)は前引け時点で145%超に上り、短期的な過熱感が意識され伸び悩んだ。業種別では銀行、輸送用機器などが上昇。鉄鋼、鉱業はさえない。

JR九州は公開価格を19.2%上回る初値3100円を形成。その後は利益確定売りに押され、2922円で前引けを迎えた。前日に想定為替レートを1ドル100円と円高方向に見直しながらも、通期利益予想の上方修正を発表した日本電産が年初来高値を更新。好決算企業に対する評価に加え、業績下振れの観測に対しても、悪材料出尽くしと受け止めた買いが入った。

米企業決算も投資家心理に好影響を及ぼしている。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、米国のS&P500種企業の第3・四半期利益は、前年比1.1%増と、4期連続の減益に終止符が打たれる見通しとなっている。

丸三証券・投資情報部長の牛尾貴氏は「早々と増益に転じており、米国でも企業業績は明らかに回復に向かっている」と指摘。「米国株については金利見合いでバリュエーションが切り上がりつつある。日柄的な調整が目先あったとしても、バリュエーションの水準を調整するような値幅調整は見込みにくい」との見方を示している。

東証1部騰落数は、値上がり1164銘柄に対し、値下がりが660銘柄、変わらずが160銘柄だった。

*脱字を補って再送します。

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