訂正:ドルが対円で上昇、米12月利上げ観測高まる=NY市場

2016年10月25日(火)07時58分

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で上昇した。最近発表された米経済指標が堅調なうえ、米連邦準備理事会(FRB)当局者から早期利上げを示唆する発言が相次ぎ、FRBは12月に追加利上げ(訂正)を決めるとの観測が高まった。

ドルは他の主要通貨に対して買われ、ドル指数は一時98.846と約9カ月ぶりの高値をつけた後、終盤は小幅高の98.775。ドル/円は一時104.32円と1週間ぶりの高値をつけた。

終盤のユーロ/ドルは0.08%安の1.0873ドルと、21日につけた7カ月ぶり安値の1.0857ドルに迫った。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は24日、インフレ見通しと労働市場の改善が継続する限り、2017年末までに3度の利上げが適切だろうと発言。これに先立ち21日にはサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が、19日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁が、いずれも利上げは近いとの見方を示していた。

最近の米経済指標も好調。24日発表の10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は1年ぶりの高水準で、先週発表された9月中古住宅販売も予想を上回った。

CMEグループのフェドウォッチによると、早期利上げを示唆する当局者の発言や強めの米経済指標の発表を受け、市場が織り込む12月の利上げの確率は74%程度となった。

オアンダ(トロント)のシニア通貨ストラテジスト、アルフォンソ・エスパーザ氏は「当局者の発言は最もハト派的なコメントですら12月利上げに触れており、(12月の追加利上げは)ほぼ間違いない」と述べた。

ドルは新興国通貨に対しては下落した。アナリストによると、市場でリスク志向が強まったことや、米大統領選の投票を2週間後に控え、最近の世論調査で民主党のクリントン候補が共和党のトランプ候補に対するリードを広げていることが背景。

トランプ氏の保護主義的な姿勢は新興国通貨にとってリスクとみられている。

BMOキャピタル・マーケッツのFX戦略グローバル責任者、グレッグ・アンダーソン氏は「米大統領選によるドルへの影響という点では、市場はトランプ氏に関連するリスクの織り込みが薄れた格好だ」と語った。

ドル/円 NY終値 104.17/104.20

始値 103.88

高値 104.32

安値 103.89

ユーロ/ドル NY終値 1.0880/1.0886

始値 1.0892

高値 1.0900

安値 1.0869

*本文第1段落目の「利下げ」を「利上げ」に訂正します。

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