米8月個人消費支出0.1%減、物価上昇は加速

2016年10月1日(土)00時34分

[ワシントン 30日 ロイター] - 米商務省が30日発表した8月の個人消費支出(インフレ調整後)は前月比0.1%減と、市場予想の0.1%増に反して7カ月ぶりに落ち込んだ。一方、物価には上昇ペースが加速する兆しがみえる。統計の内容はまちまちで、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに慎重になる可能性がある。

国内総生産(GDP)の3分の2以上を占める個人消費はこの数カ月底堅く推移し、第2・四半期の企業投資の落ち込みや在庫減少による経済成長押し下げを一定程度相殺してきた。それでもなお、第2・四半期のGDPは年率で1.4%増と勢いを欠く結果にとどまっている。

8月の個人消費の落ち込みにもかかわらず、第3・四半期のGDPは依然として伸びる可能性がある。ただ、消費者の購買意欲はこれまでより低下しているようにみえる。

個人消費は労働市場の引き締まりに伴って伸びてきた。FRBのイエレン議長は今週、雇用の引き締まりは所得を押し上げるとの見方を示した。8月の個人所得は0.2%増となり、市場予想と一致した。

8月は個人消費支出(PCE)物価指数も上昇した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は0.2%上昇した。前年同月比は1.7%上昇で、7月と比べて0.1ポイント伸びを拡大した。FRBが物価の目標としている2%に近づいた。

FRBのイエレン議長は先週、米経済の将来的な過熱を避けるために、年内に1回利上げするとの見通しを示した。

CMEグループのフェドウォッチによると、政策金利の先物の動向から算出した11月の利上げ確率はほぼゼロだ。12月は約50%となっている。

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