ドル/円上値重い、欧州金融不安でリスク回避ムード

2016年9月30日(金)15時15分

[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の101円前半だった。欧州の金融不安を背景に市場がリスク回避ムードとなっており、ドル/円の上値は重かった。

午前のドルは方向感が出なかった。朝方発表された8月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)が市場予想を下回ったことで一部の投機筋が円売りを手掛けたといい、一時101.25円まで上昇した。

ただ、追随する動きは限定的で、株価が200円超の下げとなる中、ドルの上値追い気運も盛り上がらなかった。午前11時半頃までに100.92円まで下押しされた。

欧州では、ドイツ銀行が住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売をめぐり米司法省から140億ドルの和解金の支払いを求められている。市場では「期末なので取引は多いと思うが、マーケット全体がリスクオフなので上方向に行きにくい」(邦銀)との声が出ていた。

正午過ぎ、101.15円付近に値を戻していたドルは、101.80円まで急騰した。企業のM&A(買収・合併)絡みか、月末要因の特殊なフローが入った可能性があるという。その後、午後3時に向けてじりじり値を下げ、正午過ぎの上昇分をほぼすべて返上した。

午後の下落局面では、黒田東彦日銀総裁の発言も伝わっていた。黒田総裁は衆院予算委員会で、現行ゼロ%程度としている長期金利の操作目標を実現するため、年間80兆円程度をメドとしている国債買い入れ額が「増減することがあり得る」と語った。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 101.08/10 1.1216/20 113.38/42

午前9時現在 101.19/21 1.1217/21 113.51/55

NY午後5時 101.03/06 1.1222/27 113.38/42

(為替マーケットチーム)

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