財政規律の順守必要、ECB追加緩和はリスク伴う=独連銀総裁

2016年9月30日(金)03時00分

[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は、欧州連合(EU)は条約に定められた財政規律を厳格に順守すべきとし、違反国への甘い対応をやめるべきとの考えを示した。

ECBの超緩和政策はリスクを伴い、時間とともに副作用が増すとしたが、緩和解除は健全な財政に左右されるため、違反国を看過すべきでないとした。

総裁は「拘束力を伴うEUの財政規律が深刻な脅威にさらされていると懸念している。なぜなら個別の免除措置が過度に実施されているからだ」と述べた。

財政状況が健全なドイツに対し支出拡大を求める声が上がっている点については「ドイツが他のユーロ圏諸国の成長押し上げのために借金をするという考えは間違っている」として退けた。ドイツ経済は支出を正当化する状況にないとしたほか、他国へのプラスの効果が限られるとした。

現在のECBの拡張的な金融政策については、基本的には適切との認識を示したが、追加措置については否定的な立場を表明。すでに導入している措置が効果を表すのを見守る必要があるとして、「超緩和政策のプラス効果は時間ともに薄れ、マイナスの副作用が増えてくる」と述べた。

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