第2四半期米GDP確報値1.4%増、企業投資上向く

2016年9月30日(金)01時43分

[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)確報値は、年率換算で前期比1.4%増と、改定値の1.1%増から上方修正された。市場予想の1.3%増を上回った。輸出が輸入を上回って伸びたほか、企業投資が上方修正され、全体を押し上げた。経済見通しに前向きな兆しとなった。

JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「経済成長率は緩やかながら一段と底堅さを取り戻しつつあるようだ」と述べた。

企業投資は1.0%増と、改定値の0.9%減からプラスに転じた。企業投資の増加は昨年第3・四半期以来初めてで、エネルギー企業を中心とする投資削減が最悪期を脱したことを示唆した。原油安がエネルギー企業が打撃を受け、企業投資が落ち込んだことは、米連邦準備理事会(FRB)にとって懸念材料だった。投資削減は長期的にみて経済成長を抑制する可能性があるからだ。

企業投資のうち、建物や機器への投資は当初の推計よりも小幅な減少に改定されたほか、研究開発(R&D)投資も上昇修正された。

米経済の3分の2以上を占める個人消費は、第2・四半期に4.3%増えた。輸出が輸入を超える伸びとなり、貿易のGDPへの寄与度は2014年の第3・四半期以来の大きさとなった。

ただ、企業の積極的な在庫解消の動きは続いており、在庫が502億ドル減少。GDPの重しとなった。住宅建設も落ち込んだ。

税引き後の企業利益は0.6%減に上方修正された。

利益の落ち込みを反映し、所得面から経済活動を把握する国内総所得(GDI)は、0.2%減となった。

こうした中、GDP確報値が当面の金融政策運営に影響を及ぼす可能性は低いが、FRBにとって、海外経済が弱含む中で米国が底堅さを保っているとの自信を持つ材料となるかもしれない。

FRBのイエレン議長は28日、FRB当局者は雇用市場が引き締まるにつれて、インフレが加速する可能性を懸念しており、年内の利上げを想定していると述べた。

*内容を追加しました。

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