ドル/円じり高、OPEC減産合意でリスク選好

2016年9月29日(木)15時30分

[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、ドル高/円安の101.61/63円だった。石油輸出国機構(OPEC)による予想外の減産合意を踏まえたリスク選好地合いが続いた。株高の支援もありつつ、約1週間ぶりの高値圏に上昇した。

午後のドル/円はしっかりと推移し、一時101.64円に上昇した。リスク選好地合いの中、じりじりと水準を切り上げた。

市場では「上値の重さもなくはないが、相応の戻り待ちの売りをこなしながら101円をしっかり回復した上でのじり高であり、地合いは悪くはない」(国内金融機関)との声が出ていた。

OPECの合意が伝わったのは海外時間の終盤だったこともあり「出遅れた向きが海外時間にかけてあらためて合意内容を織り込む動きに出てもおかしくない」(同)との声も聞かれた。

OPECは28日、2008年以来初めて石油生産量を減らすことで合意した。主要産油国が足並みをそろえるまで減産は行なわない立場を堅持してきたサウジアラビアが一転、態度を軟化させたとみられる。

きょうは日銀の黒田東彦総裁が全国証券大会であいさつするが「相場の反応は限定的ではないか」(国内金融機関)との見方が出ている。

週初にも関西4経済団体との懇親会やその後の会見での発言が伝わっていただけに「わずか数日で目新しい材料が出てくるとは期待しにくい」(同)とみられている。

朝方100.60─70円台だったドルは、午前10時半頃にかけて101.42円まで上昇。豪ドル/円、カナダドル/円などクロス円の円売りが支援材料となったほか、仲値にかけては、輸入企業のドル買い/円売りが相応に観測されたという。

市場からは「討論会でトランプ大統領リスクが後退し、英生保事業の売却によってドイツ銀行の経営不安もやや落ち着いた。市場のセンチメントが改善する中、OPECの話が伝わったことが好感されている」(邦銀)との声が聞かれた。

140円高で寄り付いた日経平均株価も、一時250円超に上げ幅を拡大した。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 101.61/63 1.1225/29 114.06/10

午前9時現在 100.93/95 1.1221/25 113.26/30

NY午後5時 100.67/70 1.1217/22 112.92/99

(為替マーケットチーム)

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