米経済は利上げに対応可能、低金利の正当化困難=米SF連銀総裁

2016年9月28日(水)11時56分

[サンフランシスコ 27日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は27日、米連邦準備理事会(FRB)は米景気回復を妨げることなく金利を引き上げることができると指摘した上で、据え置きを続けた方が経済へのマイナスの影響は大きいとの認識を示した。ロイターとのインタビューで述べた。

総裁は「米経済の現状と先行きの見通しを踏まえると、金利がこれほどにまで低いというのは、ますます正当化しにくくなっている」と指摘。「私は利上げを支持する。経済は利上げに対応できる。利上げしても、景気回復がとん挫したり鈍化したりすることはない」と述べた。

米失業率は4.9%で、FRB当局者の多くが完全雇用と見なす水準に近づいている。総裁は、4.5%程度に低下すればインフレ率が適度に押し上げられるだろうが、さらに下がれば景気が過熱するリスクが出てくると指摘。その結果、FRBは急激な利上げを余儀なくされ、経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性があるとの見方を示した。

失業率の点で「欲張り過ぎ、どこまで下がるのか見守ろうということになれば、逆効果になりかねないと非常に懸念している」と述べた。

FRBは、21日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定したが、3人が利上げを主張して反対に回った。

ウィリアムズ総裁は、イエレン議長が昨年12月と同様、FRB内の「相当な」不一致を修復することができると確信していると発言。イエレン議長は双方の主張を完全に理解しているため、「今後適切なバランスを達成するのに適した人物だ」と評した。

年内に残されたFOMCは2回で、先週の会合後に公表されたFRBメンバーによる年内の利上げ予想は1回が大勢を占めた。ただ、これまでのところ利上げに伴うリスクに関する主張が目立っている。

「現時点でわれわれは何をするべきかについて意見が分かれており、最善の決定について非常に慎重で思慮深い議論がなされている」と説明。「今後数回の会合ではそういった議論が続くだろう」との見解を示した。

一方、大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏はイエレン議長がオバマ大統領を支援するために低金利を維持していると批判、当選した場合は議長を交代させる意向を示している。

ウィリアムズ総裁は、イエレン氏が任期満了となる2018年まで「議長を務めると予想している」と述べた。

*内容を追加します。

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