設備投資、4─6月は前期比減続く 剰余金最高でも投資伸び悩み

2016年9月1日(木)11時25分

[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した2016年4─6月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、設備投資(ソフトウエアを除く)は前期比で3四半期連続の減速となり、停滞している。減少が目立つのは非製造業で前年同期比でも13期ぶりに減少した。15年度の利益剰余金が全産業で過去最高を更新する中で、設備投資の伸び悩みが目立つ。

設備投資額は、季節調整済み前期比で見ると製造業が2.0%増と2四半期連続で増加したが、非製造業は1.9%減と3四半期連続減少。全産業では0.5%減となった。4─6月期国内総生産(GDP)の1次速報でも民間企業設備は前期比0.4%減と2四半期連続で減少しており、法人企業統計の結果を織り込む2次速報でも減少は変わらず、減少幅が拡大すると試算する調査機関もある。

前年比(ソフトウエアを含む)で見ると、全産業で前年比3.1%増と13期連続で増加したものの、増加率は昨年7─9月期の2桁増をピークに縮小傾向にある。

内訳では、製造業が2ケタ増を維持。輸送用機械の新車向け能力増強投資に加え、化学でスマートフォンや自動車向けの投資などが押し上げ。他方で非製造業が減少に転じた背景として、娯楽業で前年の大型投資の反動減があったほか、情報通信業で基地局の通信設備投資が減少したことなどが響いた。

企業の利益剰余金は15年度に前年度比6.6%増え、377兆円と過去最高水準を更新した。ただ、足元の企業の売上高は減収が続き、経常利益は高水準とはいえ、3四半期連続で前年同期を下回っており、設備投資も前期比で減少が続いている。財務省ではこうした結果を踏まえ「このところ弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いている経済全体の傾向を反映している」とみている。

法人企業統計は四半期ごとに調査が行われ、資本金1000万円以上の法人企業が対象。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:橋本俊樹)

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