インタビュー:日銀の独立性、損なわないことが大事=官房長官

2016年8月30日(火)16時14分

[東京 30日 ロイター] - 菅義偉官房長官は30日、ロイターのインタビューに応じ、アベノミクスは円高是正や雇用改善、税収増で「一定の成果を出している」としつつ、「デフレ脱却まではいま一歩」だと指摘した。

そのうえで「日銀がETF(上場投資信託)増額を決めた後に政府が経済対策を打ち出したように、政府・日銀は連動しており、必ず効果が出てくる」と強調した。

日銀が9月に予定している政策検証について「2%目標実現のために何が必要か、総括を行う」とし、「財政や日銀の独立性を損なわないことが大事」と指摘した。

一部市場関係者から期待されているヘリコプターマネーについては「確かな定義は何もない」と一蹴した。

金融機関から不評のマイナス金利政策について「日銀が今行っている政策で経済が良くなれば、金融機関にもメリットが出てくる」と表明。今後の運営についても「日銀の独立性なので、日銀の対応策を見守りたい」と述べた。

<消費「思うように行っていない」、個人資産活用が大事>

足元の為替動向については「財務省・金融庁・日銀の3者会合を定例化しており、金融・為替の動きは常にしっかり注視しながら、必要な時はしっかり対応する体制ができている」とした。

足元の消費動向について「少子高齢化で、将来不安などから(改善が)思うように行っていないのも事実」と述べ、「政府として1700兆円の個人資産をしっかり活用するのが大事」と強調した。

<来月首脳会談でプーチン大統領の訪日日程議論>

一方、日ロ関係について「(北方領土)4島の帰属問題を明確にする中で、交渉するのが大事」と強調した。プーチン大統領の訪日日程は「まだ具体的に決まっていない。(来月ロシアで行われる)今度の首脳会談で、そうした日程は出てくるものと思っている」と指摘した。

沖縄県尖閣諸島(中国名:魚釣島)をめぐっては「歴史的にわが国固有の領土なので、しっかりと毅然と冷静に対応していきたい」と述べた。

*見出しを修正しました。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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