米株市場は上昇、金融・資源株に買い
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株式市場は上昇。全般的に薄商いのなか金融株や資源関連株などが買われた。市場では米連邦準備理事会(FRB)当局者の先週末の発言を消化する動きが続いた。
FRBのイエレン議長は26日、ワイオミング州ジャクソンホールでの年次経済シンポジウムで、年内の利上げの根拠は強まっていると指摘。フィッシャー副議長は、9月と12月に利上げに踏み切る可能性があることを示唆した。
セクター別では、循環株が堅調だったほか、26日は軟調だった公益株も持ち直した。
米商務省が発表した7月の個人消費は前月比0.3%増加して4カ月連続のプラスとなり、経済成長の加速を示す内容だった。ただ、FRBがインフレ指標として重視するコア個人消費支出(PCE)物価指数の前年同月比は1.6%上昇にとどまり、FRBの目標である2%を下回った。
ウンダーリッヒ・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、アート・ホーガン氏は、年内2回の利上げを示唆したフィッシャー副議長の発言を市場は検証し直していると指摘しつつも、「FRBは確実に、市場に利上げに備えるよう促している」と述べた。
また、コーナーストーン・フィナンシャル・パートナーズのクリス・ザカレリ最高投資責任者(CIO)は「市場はFRBが年内に利上げするという考えを従来より心地よく受け入れつつあるのだと思う。FRBは綱渡りをするように利上げに言及しているが、必ずしも市場に恐怖感は与えていない」と述べた。
個別銘柄では、栄養補助食品販売会社ハーバライフが4.6%高。著名投資家カール・アイカーン氏は、同氏がハーバライフ株を売却しようとしているとの報道を否定するとともに、ハーバライフ株を230万株買い増したことを明らかにした。
半導体のマイクロン・テクノロジーは2.4%高。ドイツ銀行とスタイフェルがマイクロン株の目標価格を引き上げたことを受けて買われた。
一方、カジノホテル運営会社シーザーズ・エンターテインメントは15.7%急落。破産裁判所の判事は、シーザーズの社債保有者に損害賠償を求める訴訟の提起を認めた。
米取引所の合計出来高は約50億株にとどまり、過去20営業日平均の61億株を下回った。騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が2.60対1、ナスダックが1.68対1で、いずれも上げ銘柄が優勢だった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 18502.99 +107.59 +0.58 18421.29 18523.09 18419.92
前営業日終値 18395.40
ナスダック総合 5232.33 +13.41 +0.26 5223.80 5245.12 5222.34
前営業日終値 5218.92
S&P総合500種 2180.38 +11.34 +0.52 2170.19 2183.48 2170.19
前営業日終値 2169.04
ダウ輸送株20種 7860.30 +35.76 +0.46
ダウ公共株15種 672.32 +5.23 +0.78
フィラデルフィア半導体 803.62 +2.22 +0.28
VIX指数 12.94 -0.71 -5.20
S&P一般消費財 643.83 +1.97 +0.31
S&P素材 307.89 +2.89 +0.95
S&P工業 509.52 +2.65 +0.52
S&P主要消費財 558.38 +3.05 +0.55
S&P金融 327.37 +3.16 +0.98
S&Pエネルギー 514.62 +3.40 +0.67
S&Pヘルスケア 845.04 +2.27 +0.27
S&P電気通信サービス 172.91 +1.33 +0.78
S&P情報技術 785.92 +2.27 +0.29
S&P公益事業 250.31 +1.95 +0.79
NYSE出来高 6.60億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 16710 - 20 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 16700 - 30 大阪比
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