他の経済策が役割果たさなければ低金利続く=クーレECB理事

2016年8月29日(月)09時45分

[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は27日、他の景気刺激策が役割を果たさない限り金利は低水準にとどまるとの見方を示した。

さらに、そうした環境下では金融政策の効果が弱まり、副作用をもたらす可能性が高まる、と指摘した。

同専務理事は米カンザスシティー地区連銀が主催した経済シンポジウムで「刺激策は一時的な措置という暗黙の想定のもと講じられた」とし、他の経済政策が役割を果たさない場合には均衡実質金利が低水準にとどまる可能性を排除できない、との見方を示した。

ECBは政策金利をマイナスに引き下げ、資産買い入れ措置を導入したが、インフレ率はゼロ近辺で推移しており、ECBが目標とする2%を少なくとも今後2年は下回ると予想されている。

ECBは、資産買い入れプログラムを来年3月以降も継続するか、もしくは規模を縮小するか慎重に決定するとみられ、最終決定は第4・四半期になる可能性が高い。

クーレ専務理事は、非伝統的措置を今以上に活用すれば、市場の価格決定を損ない均衡実質金利に一段の下押し圧力を加えるなど、副作用が予想される、と語った。

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