ドル102円に迫る、FRB正副議長発言で年内利上げ観測高まる=NY外為

2016年8月27日(土)08時00分

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対し2週間ぶり高値をつけた。米経済の改善を背景に、利上げの根拠が強まったとしたイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が支援した。

ドルは発言を受けて急伸したが、議長が利上げが差し迫っているとの印象は与えなかったため値を消した。だがその後、フィッシャー副議長がFRBは依然として年内利上げの軌道にあるとのタカ派な発言を行なったことで、FRB幹部の発言を再評価する動きが強まり、ドルに再び買いの勢いが戻った。

TD証券のシニア為替ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は「ハト派当局者が利上げの正当性が強まっていると発言すれば、市場はこれを尊重する。FRB議長ともなればなおさらだ」と指摘。「ここにフィッシャー副議長の発言が加わり、さらにイエレン氏の発言が後押しされた。イエレン、フィッシャー両氏はほぼ同じ考えにあるため、ドルを押し上げる要因となった」と分析した。

CMEのフェドウォッチによると、終盤の取引で、米短期金利先物相場が織り込む9月利上げの可能性は36%と、イエレン議長の発言直後の24%から上昇した。12月利上げの確率も序盤の57%から60%超に上昇した。

ドル/円は1.3%高の101.88円。一時は2週間ぶり高値となる101.93円に上昇した。

ドルはスイスフランに対しては1.2%高の0.9788フラン。ユーロ/ドルは0.9%安の1.1180ドル。

ドル指数は0.8%上昇の95.563。

朝方発表された第2・四半期の米国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.1%増となり、速報値の1.2%増から小幅に下方修正されたが、市場ではあまり材料視されなかった。

内訳の個人消費支出は4.4%増と、2014年の第4・四半期以来の大幅な伸びとなり、明るい材料を提供した。

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