GPIF、4─6月期の運用損5.2兆円 2期連続の赤字

2016年8月26日(金)15時33分

[東京 26日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は26日、2016年4─6月期の運用損失が5兆2342億円だったと発表した。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票の結果を受けた円高・株安で損失が膨らみ、2008年のリーマン・ショック以降初めて、2四半期連続の赤字となった。

資産ごとの運用損は、国内株式が2兆2574億円(利回りはマイナス7.38%)、外国株式が2兆4107億円(同7.76%)、外国債券が1兆5193億円(同8.02%)。一方、国内債券の運用利回りはプラス1.91%で9383億円を稼いだ。

運用資産額は6月末時点で129兆7012億円となり、3月末から5兆0463億円減少。14年度4─6月期以来、2年ぶりに130兆円を割り込んだ。

損失が膨らんだのは、6月上旬発表の米雇用統計が事前予想を下回ったことや、英国の国民投票でEUからの離脱が決まったことなどで市場が大きく変動したためだ。2期連続の赤字となったことを受け、GPIF広報担当者の森新一郎氏は「市場分析やリスク管理を引き続き行う」と説明した。

14年10月に基本ポートフォリオを変更して以降、7四半期の累計で収益率がマイナス0.42%、収益額はマイナス1兆0962億円となった。

6月末の年金積立金全体に占める保有資産割合は国内債券39.16%(3月末は37.55%)、国内株式21.06%(同21.75%)、外国債券12.95%(同13.47%)、外国株式21.31%(同22.09%)となった。

年金特別会計で保有する短期資産について、厚生労働省は6月末の時点で4兆8000億円程度としており、GPIFは3月末から国内債券を1兆0686億円程度、外国債券を16億円程度減らす一方、国内株式を25億円程度、外国株式を15億円程度買い増したもようだ。

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