クリントン氏値下げ要請の医薬品、マイランが患者負担軽減へ

2016年8月26日(金)03時13分

[25日 ロイター] - 後発医薬品(ジェネリック)大手マイランは25日、急性アレルギー反応の応急措置に使われる「エピペン」について、患者の自己負担額を軽減する方針を発表した。

2008年に100ドルだったエピペンの価格が600ドルまで上昇していることを受け、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は前日、批判を表明し、同社に対し自主的な値引きを要請していた。

マイランはこの日、実際の定価引き下げは見送ったものの、患者が割引きカードを活用することで、エピペン2本入りの購入で最大300ドルのコストを軽減できる措置を導入。これまで定価で購入してきた患者にとっては、自己負担額が実質半減することになる。さらに、患者支援プログラムの使用要件を拡大し、保険未加入の患者や家族の自己負担額を軽減する方針を示した。

マイランのへザー・ブレシュ最高経営責任者(CEO)はCNBCとのインタビューで、同社がこれまでにエピペンの改善に向け数十億ドルを投じてきたとしたうえで、薬剤給付管理会社や保険会社などが関与するため、マイランが実際に回収できるのはエピペンの定価の半分を下回る水準に過ぎないと主張した。

クリントン陣営広報官は声明で、マイランの措置を歓迎するとしつつも、「エピペンの定価を引き下げることなく割り引きを提供しても、高額の薬価を反映し保険料が上昇するため、今回の措置では不十分」との見解を示した。

クリントン氏は24日、「製薬会社が正当な理由なく薬を値上げし、患者よりも自社の利益を優先することは間違っている」とし、マイランの事例は「非常識」と非難した。これに先立ち、米上院議員2人もエピペンの値上げに関する情報を提供するよう求めている。

こうした動きを嫌気し、バイオテク関連銘柄は24日の取引で軒並み下落。マイランの株価はこの日、一時3.2%上昇した。

*内容を追加して再送します。

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