ホンダ、バブル期のスポーツ車10年ぶり復活 国内受注開始2370万円

2016年8月25日(木)14時05分

[東京 25日 ロイター] - ホンダは25日、欧米に続き、日本で高級スポーツ車「NSX」の受注を開始した。生産に時間がかかり台数が限られるため、納車は来年2月から。販売価格は2370万円。日本では初年度に約100台の販売を目指す。NSXは26年ぶりの全面改良で、生産終了から10年ぶりに復活した。

八郷社長は同日の発表会で「操る喜びを追求するのがホンダの永遠のテーマ」であり、「生活に役立つ車と操る車の両輪あるのがホンダのDNA。新型NSXの投入でホンダブランドのレベルアップにつなげたいとの考えを示した。

ホンダにとって最大市場の米国では2月に受注を開始し5月下旬から納車を始め、7月末時点で23台が顧客に引き渡された。カナダを含めた北米で初年度800台の販売を計画する。欧州では英国、ドイツ、イタリア、フランス、スイスの5カ国で受注が始まっており、今秋からの納車を予定。中国での販売も計画している。

初代は日本で生産していたが、新型は米国の専用工場(オハイオ州)が担う。溶接はロボットが施すものの、組み立てはほとんどが手作業であるほか、塗装工程では高級感を生み出すため最大で11層に重ね塗りし1台あたり4日間かけるなど、丁寧に造り込んでいる。

新型NSXは、排気量3.5リットルのV型6気筒ツインターボエンジンと3つのモーターを組み合わせたハイブリッド車で、9速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を備える。

馬力は初代から倍増させ、伊フェラーリや独ポルシェなどに匹敵する水準を実現。車体の高剛性と軽量化を両立させるため、アルミを中心とした複数の素材による「スペースフレーム」を採用した。

初代NSXは世界に通用するホンダの顔として1990年に発売。欧州勢が君臨する高級スポーツ車の市場に、日本車として初めて参戦した。3リットルV型6気筒エンジンを運転席後方に搭載し、後輪を駆動するミッドシップエンジン・リアドライブを採用。世界で初めて車体すべてをアルミニウム製にして軽量化を図った。

発売当初は800万円(マニュアル車)で、当時としては国産車の最高価格だったが、時代はバブル景気の真っ只中、発売当初は数年待ちとされていた。しかし、その直後にバブルが弾けてキャンセルが続出、91年をピークに販売は落ち込んだ。2005年末に生産を終了、06年に販売を打ち切ったが、15年間で全世界累計約1万8000台以上を売り上げた。

*内容を追加します。

(白木真紀 取材協力:田実直美)

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