GPIF、15年度の運用損5.3兆円 5年ぶり赤字

2016年7月29日(金)18時45分

[東京 29日 ロイター] - 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は29日、2015年度の運用損が5兆3098億円だったと発表した。年度を通しての赤字は10年度以来5年ぶりとなり、15年度末の運用資産額は140兆6271億円。

厚生労働省の年金特別会計の資金を含まない運用資産額は134兆7475億円。

運用損の主な内訳は、国内株式が3兆4895億円と最も大きく、次いで外国株式が3兆2451億円。14年10月の基本ポートフォリオ見直しでリスク性資産への投資を増やしたため、円高・株安の影響を受けやすくなった。

国内債券は金利低下(価格は上昇)の影響などで2兆0094億円の利益、外国債券は6600億円の損失となった。

15年度末の各資産の構成割合は、国内債券37.55%、国内株式21.75%、外国債券13.47%、外国株式22.09%。

一方、GPIFは保有している個別銘柄の開示を始めた。市場への影響を考慮し、今回は14年度末時点の銘柄に限ったが、今年11月には15年度末時点の銘柄を公表する方向だ。

国内株は時価総額ベースでトヨタ自動車 (1兆5499億円)を筆頭に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8229億円)や三井住友フィナンシャルグループ(5173億円)が続いた。

日本株の保有銘柄数は計2037で、時価総額にして31兆4671億円だった。

保有する外国株式で、時価総額ベースの首位はアップル(6025億円)。このほか、エクソンモービル(2784億円)、マイクロソフト(2777億円)など計2665銘柄、時価総額にして29兆8040億円。

*内容を追加します。

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