米6月の財貿易赤字3.7%拡大、第2四半期GDPの下方リスクに

2016年7月29日(金)04時21分

[ワシントン 28日 ロイター] - 米国勢調査局が28日発表した6月の財(goods)の貿易収支(速報値)は、輸入が輸出を上回って伸びたことで633億ドルの赤字となり、赤字幅は3.7%拡大した。

商務省は29日に第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値を発表するが、下振れの可能性も出てきた。 今回の結果を反映し、アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」による第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率予想は年率1.8%と、27日時点の2.3%から低下している。

国勢調査局の統計では6月の卸売り在庫は横ばい、小売在庫は0.5%増となった。JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「第2・四半期は在庫調整の動きが著しく拡大したもようで、これによりGDP伸び率が1%ポイント抑えられた可能性がある」としている。

アトランタ連銀は貿易により第2・四半期のGDP伸び率は0.10%ポイント抑制されたと予想。TD証券(ニューヨーク)の次席エコノミスト、ミラン・ムルレーン氏は「貿易は第2・四半期GDPの足かせになった恐れがある。第3・四半期にもマイナスの影響が及ぶ見通しで、ドル高と世界的な経済活動の停滞を勘案すると、向こう数カ月で(米国の貿易)赤字は一段と拡大する可能性がある」としている。

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