独7月のEU基準CPI0.4%上昇、ECB政策効果薄くなお低水準

2016年7月29日(金)00時08分

[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が28日発表した7月の欧州連合(EU)基準ドイツ消費者物価指数(HICP)速報値は前年比と前月比でともに0.4%上昇した。いずれも予想の0.3%を上回って伸びたものの、指数の水準は依然として低く、欧州中央銀行(ECB)の超低金利政策の効果が限定的であることが示された。

7月はエネルギーが前年比7.0%低下。前月の6.4%低下から下げ幅が拡大した。一方、食品は1.1%上昇。前月の0.1%上昇から加速した。

キャピタル・エコノミクスのアナリスト、ジェニファー・マキューアン氏は「ドイツの消費者物価指数はECBが物価安定の目標とする2%に向こう数カ月で達する可能性があるが、その水準が長く維持される公算は小さい」と指摘。

「他のユーロ加盟国でも物価圧力が低迷するなか、ECBが景気支援策を強化する根拠はある」とし、ECBは9月にもすでにマイナス圏にある主要金利の一段の引き下げや資産買い入れ策の拡大などを打ち出す可能性があるとの見方を示した。

EU統計局は29日に7月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値を発表。ロイターがまとめたエコノミスト予想は、前年比0.1%上昇と、伸びは前月から横ばいになる見通し。

オッペンハイムのエコノミスト、ウルリケ・カステンス氏は「ドイツでは経済も消費者需要も堅調となっているが、インフレ率の低迷は続くと予想される。ユーロ圏全体でもインフレ目標の達成には時間がかかると見られる」としている。

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