米コカ・コーラ、第2四半期売上高が予想届かず 新興国が不振

2016年7月28日(木)08時21分

[27日 ロイター] - 米飲料大手コカ・コーラが発表した第2・四半期(7月1日終了)決算は、売上高が市場予想に届かなかった。北米では販売が伸びたが、中国やアルゼンチンを含む新興国や途上国での不振を補いきれなかった。

同社は通年のオーガニック・セールス(為替変動・買収効果を除いた売上高)見通しも下方修正し、寄り前の取引で株価は2.2%安の43.89ドルで取引されている。

株主帰属の純利益は11%増の34億5000万ドル(1株当たり0.79ドル)。

特別項目を除く1株利益は0.60ドルだった。

純営業売上高は5.1%減の115億4000万ドルで、5四半期連続のマイナスとなった。

主力市場である北米は2%増収。一方で、その他の地域はすべて減収となった。

トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめた市場予想は1株利益が0.58ドル、売上高が116億3000万ドルだった。

ベネズエラやアルゼンチンなど、中南米の一部は政治の不安定さを背景にインフレ高進に直面しており、多国籍企業にとり売上高の圧迫要因となっている。中南米地域はコカ・コーラの2015年売上高の9%を占めた。

ケント最高経営責任者(CEO)は声明で「日米やメキシコを含め、同社の主要市場や先進国は力強かったが、中国やアルゼンチンなど大半の新興、途上国における困難な外的状況によって相殺された」と述べた。

同社は2016年のオーガニック・セールスの伸びを3%増とし、4─5%増としていた従来予想から引き下げた。

クインシー最高執行責任者(COO)は、中国の売上高が消費需要低迷を背景に卸売業者が在庫を減らしたことで押し下げられたと説明。アルゼンチンでは経済構造改革の取り組みがもたらす短期的な景気へのマイナス効果が第2・四半期に強まったことが響いたと説明した。

またコカ・コーラや競争相手のペプシコにとっては、消費者が健康志向を高め、炭酸飲料よりもお茶や果汁飲料、スムージーなどを好むようになっている状況も苦戦の原因だ。

コカ・コーラは、中国の消費者の嗜好の変化に対応し、プレミアム商品の品揃えを増やすなどしている、としている。

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