日経平均は4日ぶり反発、一時438円高 経済対策の報道に一喜一憂

2016年7月27日(水)15時37分

[東京 27日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日ぶりの反発。日銀の追加緩和観測が広がるなか、序盤から幅広く買いが先行した。政府による大規模な経済対策や50年債発行の検討なども報じられ、一時438円の上昇となった。財務省が検討の事実を否定すると株価は伸び悩んだものの、後場後半に安倍首相の講演での経済対策をめぐる発言が伝わると持ち直した。

前日の米国株は高安まちまちだったが、日銀内での追加金融緩和論の浮上を指摘する報道が支援材料となった。米アップルの業績見通しが市場予想を上回ったことで、電子部品関連が堅調に推移。信越化学工業など好業績銘柄の上昇も市場心理の好転につながった。

ランチタイムには政府の大型経済対策をめぐる国内メディアの報道に加え、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋の話として日本政府が50年債の発行を検討していると報じた。市場では「ヘリコプターマネー」の思惑が台頭。先物主導で買いが入り、後場寄りで日経平均は1万6821円と日中高値を付けた。

だが財務省は50年債発行についての報道を否定。106円台半ばまで上昇していたドルは一時105円台前半まで弱含んだ。日経平均は後場中盤に1万6600円近辺まで上げ幅を縮小したものの、安倍首相が福岡市内での講演で、経済対策の事業規模を28兆円超とし財政措置を13兆円とする方針を表明したと伝わると、1万6750円近くまで上昇。その後はもみ合いを続けるなど、報道で一喜一憂する荒い動きとなった。

日経平均は1.7%高となったが、メガバンクは三菱UFJが0.3%高など上昇率は指数を下回って終了。日中はマイナス圏で推移する場面もあった。4─6月期の最終利益が3割程度減となるとの報道が嫌気された。日銀の金融政策決定会合を前に「追加緩和でマイナス金利の深堀りが打ち出された時のリスクが意識されている」(藍沢証券投資顧問室ファンドマネージャーの三井郁男氏)との声も出ている。

個別銘柄ではこのほか、伊藤忠商事が軟調。上場企業の不正を調査・発見し、空売りをする米グラウカス・リサーチ・グループ(カリフォルニア州)が27日、伊藤忠の会計処理を疑問視するレポートを公表したことが嫌気された。

東証1部騰落数は、値上がり1403銘柄に対し、値下がりが457銘柄、変わらずが108銘柄だった。

日経平均

終値      16664.82 +281.78

寄り付き    16526.06

安値/高値   16526.06─16821.43

TOPIX

終値       1321.67 +14.73

寄り付き     1316.53

安値/高値    1313.72─1331.29

東証出来高(万株) 223908

東証売買代金(億円) 25343.11

(長田善行)

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