政府の経済対策案を自民党に提示、規模と効果は明記せず

2016年7月26日(火)11時47分

[東京 26日 ロイター] - 政府が26日、自民党に提示した経済対策の素案が明らかになった。保育士に4万円程度の追加的な処遇改善を実施、2017年度中に年金受給資格期間を25年から10年に短縮。観光インフラ整備や財投を活用したリニア中央新幹線開業の最大8年前倒しなども盛り込んだ。

経済対策は与党との調整を経て8月2日に閣議決定される予定。

経済対策案では、内需を下支えできる施策として1億総活躍社会実現の加速、インフラ整備などに重点を置くとし、その際「2020年度の財政健全化目標は堅持する」と明記した。対策の規模と効果については提示しなかった。

21世紀型のインフラ整備として、訪日外国人旅行者数の増加目標達成に向け、年内をめどに「観光インフラ整備プログラム」を策定し、大型クルーズ船受け入れのための港湾整備、空港の機能強化を実施するとした。

農産物の輸出促進のため「農林水産物輸出インフラ整備プログラム」を年内に策定、輸出基地・輸出対応型施設を整備する。

金融関連では、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う不安定性などリスク対応として「金融機能強化法に基づく資本増強制度などの期限を延長する」と明記された。また、少額投資非課税制度(NISA)の改善・普及も盛り込まれた。

さらに国内の中小企業・小規模事業者に対する支援策として、セーフティネット貸付制度の金利引き下げ、既存の保証付き融資を借り換える際の保証を実施するとしている。

「働き方改革の推進」では、同一労働同一賃金実現に向け、雇用慣行に留意しつつ法改正の準備を進め、外国人材の活用について総合的かつ具体的な検討を進めるとした。ただ、具体策には踏み込まなかった。

金融政策については「日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する」と、簡潔な表現になっている。

*内容を追加しました。

(宮崎亜巳 編集:田巻一彦)

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