カナダ中銀が成長見通し下方修正、住宅市場リスク警戒
2016年7月14日(木)02時47分
[オタワ 13日 ロイター] - カナダ中銀は13日、今年の同国・世界成長率見通しを引き下げた。政策金利は市場予想通り、0.5%に据え置いた。
輸出動向が引き続き失望を誘うとし、企業が直面する構造的課題を過小評価していた可能性を認めた。
トロントとバンクーバーの住宅市場で、投機的な動きが出ている可能性に改めて警戒感を表明。住宅価格の急上昇と、さえない輸出動向は、中銀が直面する困難を浮き彫りにする。
国内経済成長率見通し平均は、今年が4月時点の1.7%から1.3%に、来年は2.3%から2.2%にそれぞれ引き下げた。
今年の世界成長率見通しも、前回予想の3.0%から2.9%に引き下げた。
中銀は「世界成長が失望を誘い、カナダの輸出品需要が弱い期間が長引き、一部企業が撤退、(生産)能力が恒久的に失われた」と分析した。
英国の欧州連合(EU)離脱決定で、2018年末までに世界経済成長率が0.2%、カナダ成長率は0.1%押し下げられる公算が大きいとした。
中銀によると、森林火災に伴うオイルサンドの生産施設閉鎖や住民避難の影響が出て、第2・四半期の経済成長率(年率)を約1.1%ポイント押し下げた。ただ、石油生産回復や復興に向けた取り組みが、第3・四半期の成長率(年率)を1.3%ポイント押し上げると見込んだ。
中銀は声明で「不透明感が高まる中、成長加速に向けた経済の基礎的条件は予想可能な範囲でみて引き続き整う」と指摘した。
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