ドルが対円で下落、米国債利回り低下受け=NY外為

2016年7月2日(土)06時22分

[ニューヨーク 1日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが安全通貨と見なされる円に対し下落した。米国債利回りが大きく低下したことで米国債の魅力が薄れたことに加え、米連邦準備理事会(FRB)が年内はハト派的なスタンスを維持するとの見方が広がっていることが背景。

終盤の取引でドル/円は0.8%安の102.47円。朝方の取引では102.44円まで下落した。ドル指数は0.5%低下の95.700で推移している。

債券市場では米30年債利回りが1950年代以来の低水準となる2.189%まで低下。米10年債利回りは過去最低水準の1.381%に迫った。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「ドル/円は債券利回りの動向に非常に左右されやすく、この日は米国債利回りの急低下により円相場が押し上げられた」としている。

また、BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)の外為戦略部門責任者、ボリス・ショロスバーグ氏は「英国が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決めたことで、少なくとも年内の米利上げの可能性は完全に消えた」と指摘。市場では、ブレグジットによりFRBによる年内の利上げ観測が大幅に後退したこともドルの重しとなっているとの見方が出ている。

ユーロ/ドルは朝方の取引で1.1168ドルと1週間ぶりの高値を更新。終盤の取引では0.3%高の1.1132ドルで推移している。

ポンド/ドルは0.3%安の1.3280ドル。一時は1.3244ドルまで下落した。前日にイングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁が、英国がEU離脱を選択したことで景気見通しが悪化したため夏にかけて追加金融緩和に動く必要があるとの考えを示唆したことが引き続き英ポンドの重しとなっている。週初からのポンドの対ドルでの下落率は約3.1%になる見通し。

この日は来週4日の米独立記念日の祝日を控え商いは薄かった。

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