中国統計局の製造業PMI、6月50.0に低下 追加刺激策の見方も

2016年7月1日(金)14時41分

[北京 1日 ロイター] - 中国国家統計局が1日発表した6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.0で前月の50.1から若干低下した。市場予想とは一致した。政府が一段の景気刺激策を早期に打ち出す必要に迫られるとの見方が強まっている。

PMIは50を上回れば景況拡大を、下回れば悪化を示す。

生産指数が1年ぶりの高水準を付けたほかは、ほぼ全ての指数が低迷の兆候を示し、春季に好転した勢いが失速していることを示唆。輸出受注、在庫、雇用の各指数はいずれも低下した。

統計局は声明で、英国の欧州連合(EU)離脱決定および世界的な経済成長の低迷が輸出業者に影響を及ぼしたと指摘した。

構成指数の中で、生産指数は52.3から52.5に小幅上昇。新規輸出受注は小幅低下した。新規受注は50近辺にとどまった。

雇用指数は47.9と前月の48.2から低下。政府が設備過剰セクターの生産能力引き下げを進める中、今後失業率は上昇する可能性がある。

小規模企業の状況を示す構成指数は低下。一方、大企業の指数は改善した。

国家統計局が同時に発表した6月の非製造業PMIは53.7で、前月の53.1から上昇した。

政府は、重工業や製造業に依存した経済からの脱却を図っており、サービス部門による景気押し上げを期待している。ただ、製造部門が引き続き落ち込めば、サービス部門の景気押し上げ効果も限られるとみられ、アナリストらは政府の支出および中国人民銀行(中央銀行)による緩和政策が一段と強化されるとの見方を強めている。

一方、財新/マークイットが発表した6月の中国製造業PMIは48.6で、前月の49.2から予想以上に悪化、4カ月ぶりの低水準となった。市場は49.1と予想。これで景況改善と悪化の分かれ目となる50を16カ月連続で下回った。

<月内にも新たな刺激策か>

製造部門の低迷と英EU離脱決定に伴う新たなリスクを受け、アナリストらは中国政府が早ければ月内にも新たな成長支援策を打ち出すと予想。ANZはリサーチノートで「インフラ投資や都市化の加速が考えられる。中国人民銀行も金利や預金準備率を引き下げる可能性がある」とした。

コメルツ銀行の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「景気減速に対処し、企業の債務負担を軽減するため、全体的な緩和バイアスは維持されるとみている」と指摘。「中国人民銀行が月内に25ベーシスポイント(bp)利下げするほか、下期に預金準備率が数回引き下げられる可能性が高いとの見方を維持する」とした。

*内容を追加しました。

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