コアCPI、5月は‐0.4%、食品価格上昇鈍化でマイナス幅拡大

2016年7月1日(金)09時36分

総務省が1日公表した5月の全国消費者物価指数(CPI)は、指標となるコアCPI(除く生鮮)が前年比0.4%低下した。前年比でのマイナスは3カ月連続で、マイナス幅は4月の0.3%から拡大した。

ロイターがまとめた民間予測も0.4%の低下だった。

これまで同様、ガソリンなどエネルギー価格が下落するなか、食品価格の上昇率鈍化が響いた。このため物価の基調的な動きを示すコアコアCPI(除く食料・エネルギー)は前年比0.6%上昇したものの、プラス幅は4月から0.1ポイント縮小した。

先行指数とされる6月の東京都区部のコアコアCPIも前年比0.4%の上昇となり、プラス幅が0.1ポイント縮小した。

<インスタントコーヒーや牛乳など食品値上げ一巡>

5月の全国消費者物価は、ガソリンが前年比16.1%、電気代が同9.6%、都市ガス代が同16.6%、それぞれ下落した。

ただ、エネルギー全体の下落幅は4月と変わらず、指数を押し下げたのは食品や耐久財。生鮮食品を除く食料は前年比1.3%上昇したが、プラス幅は4月の1.5%から縮小した。「インスタントコーヒーや牛乳など、昨年来の値上げが一巡した」(総務省)。

テレビも同5.2%上昇した。昨年同時期に新製品投入で値上がりした反動で、プラス幅は4月の13.3%から大幅に縮小した。

このため全国のコアコアCPIは昨年11月に前年比0.9%上昇したのをピークに緩やかな鈍化傾向が続いている。

<6月都区部、エネルギーのマイナス幅縮小もテレビが下落>

6月東京都区部では、エネルギーの前年比マイナス幅が5月より縮小した。一方、テレビは前年比下落に転じた。生鮮食品を除く食料は5月と同じプラス幅だった。焼肉や寿司、乳酸飲料が値上がりしたが、総務省では「特異な動きか全国に波及するか、今後見極めたい」としている。

*内容を追加しました。

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