米新規失業保険申請増加、労働市場は健全さ維持

2016年6月30日(木)23時48分

[ワシントン 30日 ロイター] - 米労働省が30日に発表した25日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万件増の26万8000件で、市場予想と一致した。

前週の数字は当初発表の25万8000件へと1000件下方修正された。

申請件数が30万件を切ると雇用市場はおおむね健全な状態にあるとされる。数字は69週連続でこの水準を下回っており、1973年以来の長期間となる。

週ごとの変動をならし雇用情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は前週から横ばいの26万6750件だった。

一時解雇(レイオフ)が非常に少ないことは雇用市場の基調の強さを示す。ただ5月の雇用統計は新規就業者数が前月比3万8000人増と2010年9月以来の小幅な伸びにとどまった。

エコノミストらは就業者数が6月に上向いたと見込んでいるが、23日の英国民投票で同国の欧州連合(EU)離脱が決まったことで、いわゆる「ブレグジット」(英国のEU離脱)がどう進んでいくのか定かでない中、企業は採用を控える可能性がある。

ブレグジット決定に続いた2営業日で世界の株式相場からは過去最高の3兆ドルが吹き飛んだ。その後、大半の市場は失われた時価総額の一部を回復したが、国民投票を受けた市場の混乱が終わったのかどうかは分からない。

30日のアジアと欧州の株式相場は3日続伸した。米国株式市場も上昇して取引が始まった。ドルは主要通貨に対してほぼ横ばい、米国債は値上がりした。

ロイターがまとめたエコノミスト調査では6月の就業者数予測が18万人となっている。失業率は4.8%と、8年半ぶりの低水準だった5月の4.7%から上昇すると見込まれている。米労働省は7月8日に6月の雇用統計を発表する。

2週間以上手当てを受けている失業保険受給者総数は、18日までの週で2万件減の212万件だった。4週移動平均は1万3000件減の約213万件と、2000年11月以来の低水準だった。

今回の失業保険統計は、6月の雇用統計と調査期間が重なっている。受給者総数の4週移動平均は5月から6月の調査期間中に1万7000件減っており、6月の失業率を予測する判断材料となる。

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