第1四半期の英経常赤字は過去最大水準、GDP確報変わらず

2016年6月30日(木)20時28分

[ロンドン 30日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した第1・四半期の経常収支は、325億9300万ポンドの赤字となり、赤字額は前期の339億6300万ポンド(改定値)から縮小した。ただロイターがまとめたエコノミストの予想(271億ポンドの赤字)ほどは縮小しなかった。

経常赤字の対国内総生産(GDP)比率は6.9%。2015年第4・四半期に記録した過去最大の7.2%に近い水準となった。

15年通年の経常赤字の対GDP比率は5.4%に改定された。年ベースの統計が開始された1948年以来の高水準となる。

第1・四半期のGDP確報値は前期比0.4%増、前年比2.0%増で改定値と変わらずだった。

英国経済は家計支出とサービス部門に大きく依存する一方、外国貿易や投資、製造業が成長の足かせとなっている。

為替市場や債券市場はGDP確報値に反応していない。金融市場は、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け、同データが非現実的とみている。

インベステックのエコノミスト、クリス・ヘア氏は「ある意味GDPは過去の出来事だ。サービス部門のデータは第2・四半期にかけて比較的勢いがあることを示しており、おそらくファンダメンタルズは持ちこたえるだろう」と語った。

サービス部門の生産は4月、約1年ぶりの高い伸びを示した。ただ、EU離脱決定による影響の方がはるかに大きい要因になると同氏は指摘する。

第1・四半期の企業投資は前年比0.8%減少し、2010年第1・四半期以来のマイナスとなった。

一方、家計の実質可処分所得は5.4%増と15年ぶりの高い伸びを示した。

*内容を追加しました。

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