日経平均は3日続伸、欧米株上昇で買い戻し優勢 一時300円超高

2016年6月29日(水)15時27分

[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続伸。欧米株の上昇や円高基調の一服を背景に、直近で売り込まれていた外需大型株などを買い戻す動きが広がった。米株価指数先物が堅調に推移したことも支えとなり、日経平均の上げ幅は一時300円超となった。東証1部の値上がり銘柄数は83%に上った。

日経平均は後場に、英国のEU(欧州連合)離脱が決定した24日の高値と安値の半値戻しの水準(1万5626円59銭)を回復。だが、この水準が天井となり、大引けにかけては伸び悩む展開だった。

「英国とEUとの交渉を含め、影響などが見えてくるのはこれから。新たな不安材料が出てこないともいえず、1─2カ月は不安定な動きが続きそうだ」(証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏)との声が出ている。

東証業種別指数では水産・農林、小売業、食料品を除く30業種が上昇。保険と鉄鋼、電気機器の上げが顕著となった。大型株で構成するTOPIXコア30は2.07%高。上昇率は日経平均の1.59%を上回っている。

ソニーが4%超高、トヨタが2%超高となるなど、英国のEU離脱決定後に売られた大型株を買い戻す動きが続いた。「参院選を前に、国内公的年金の買い観測が出ている」(国内証券)との指摘もある。

ドル/円が102円台でやや落ち着いた動きとなるなか、投資家の過度な心理は後退。日経平均ボラティリティ指数は、取引時間中としては6月13日以来、半月ぶりに30ポイント台を下回った。

全体相場は堅調だった半面、きょう東証1部に新規上場したコメダホールディングスとソラストの終値はいずれも公開価格を下回った。「事前に大きな期待があった訳でもなく、市場への影響は限定的」(国内証券)との声が聞かれた。

個別銘柄ではニプロがしっかり。28日発表の自社株買いを材料視した。半面、出光興産は大幅安。昭和シェル石油との合併に反対する創業家に対抗し、出光が新たな株式を発行する第三者割当増資を検討していることが判明したとの一部報道を嫌気した。出光は事実関係を否定するコメントを発表したものの、株価は安値圏で推移した。

東証1部騰落数は、値上がり1635銘柄に対し、値下がりが270銘柄、変わらずが60銘柄だった。

日経平均

終値      15566.83 +243.69

寄り付き    15523.35

安値/高値   15398.31─15626.66

TOPIX

終値       1247.69 +23.07

寄り付き     1241.27

安値/高値    1232.41─1251.92

東証出来高(万株) 210088

東証売買代金(億円) 22060.94

(長田善行)

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