前場の日経平均は3日続伸、欧米株高や円高一服で

2016年6月29日(水)11時53分

[東京 29日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比220円58銭高の1万5543円72銭と3日続伸した。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた株価急落から前日の欧米株が持ち直し、投資家心理が改善。外為市場で1ドル102円台半ばと円高進行が一服していることも後押しとなり、日経平均は節目の1万5500円を回復した。コア銘柄中心に買われ、東証1部全体の8割超の銘柄が上昇した。

前場中盤には戻り待ちの売りなどで伸び悩んだが、米株価指数先物などが強含むと、再び上値を切り上げた。前週24日の株価急落から戻りが鈍かった自動車、電機などの輸出株や金融株などが上昇し、安心感を誘ったという。ただ「英国のEU離脱の影響は時間を要し、世界景気の減速リスクは拭えない。完全に落ち着きを取り戻したとは言えず、当面は上下に値が振れそう」(ちばぎんアセットマネジメント調査部長の奥村義弘氏)との見方が出ていた。

政府・日銀は29日午前、市場動向について情報を共有する2回目の緊急会合を開催。安倍晋三首相は「中小企業の活動などに影響が出ないよう万全を期す」と述べるとともに、「あらゆる政策を総動員していく」と強調したが、「具体的なアクションに対する言及はなかった」(国内証券)といい、市場への影響は限定的だった。

東証1部の騰落数は、値上がり1635銘柄に対し、値下がりが267銘柄、変わらずが58銘柄だった。

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