政府・日銀、市場安定へ2回目の緊急会合 首相「政策総動員」

2016年6月29日(水)10時14分

[東京 29日 ロイター] - 政府・日銀は29日午前、英国の欧州連合(EU)離脱で市場に先行き不透明感が広がっていることを受け、市場動向について情報を共有する2回目の会合を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「中小企業の活動などに影響が出ないよう万全を期す」と述べるとともに、「あらゆる政策を総動員していく」と強調した。

同会合は27日にも開いたばかりだが、市場で投機的な動きが広がらないようけん制する狙いもあるとみられ、今後も随時開催される見通し。

首相は麻生太郎財務相に対し、為替市場の動きに細心の注意を払うよう指示。英国で活動する日本企業を念頭に、日銀には引き続き潤沢な資金供給を行うよう求めた。

麻生氏は会合後、市場動向について「流れとしては短期的に落ち着いている」と分析する一方、中長期的な実体経済への影響を注視する考えを示した。

黒田東彦日銀総裁は、28日に実施した米ドル資金供給オペレーションで15億ドル程度を日本の金融機関に供給したことに言及し、「安全弁として必要な時にはいくらでも資金供給できる仕組みがある」と説明。日本の金融機関はすでに必要な外貨資金を手当て済みであり、「外貨資金で問題が生じているということはまったくない」と強調した。

(梅川崇 伊藤純夫 編集:山川薫)

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