米企業の設備投資、英EU離脱でさらに減少も

2016年6月27日(月)14時36分

[ワシントン/ニューヨーク 27日 ロイター] - 減少傾向にある米国企業の設備投資が、英国の欧州連合(EU)離脱でさらに落ち込む恐れが出てきた。

国内市場が伸び悩む中、ボーイング、フォード・モーター、キャタピラー、エクソン・モービルといった米国企業は、英国のEU離脱で通商ルールがどう変わるか不透明なまま、海外投資の計画を立てることになる。

シティグループの北米経済担当、ウィリアム・リー氏は「英国のEU離脱で不透明感が広がっており、設備投資・消費支出の先送り・縮小が、米経済の重しになるだろう」と指摘。多国籍企業は戦略的に厳しい立場に追い込まれ、潜在成長力や実質所得が落ち込む恐れがあるとの見方を示した。

米企業の設備投資は、昨年第4・四半期と今年第1・四半期に減少。第1・四半期の減少率は7年ぶりの大きさだった。

第2・四半期も減少となれば、2007─09年の景気後退後で初めて3四半期連続の落ち込みとなる。

フォードの欧州幹部は、英国のEU離脱で「将来の潜在的な投資」に影響が出る恐れがあると指摘。

キャタピラーも、英国の通商ルールが変われば欧州のサプライチェーンに影響が出るとの見方を示している。

エクソン・モービルは「当社は欧州全域に拠点があり、モノ・人・資本の障壁のない自由な移動が重要だ」と表明。

米国研究製薬工業協会も、英国が医薬品の認可当局を独自に設置するのか、単にEUの基準に従うのか、まだ定かでないと述べた。

米商務省が24日発表した5月の耐久財受注は、民間設備投資の指標とされるコア資本財受注(航空機を除く非国防資本財)が2カ月連続のマイナスとなった。

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