英EU離脱は市場の不透明感高めた、対英投資に影響も=中国高官

2016年6月27日(月)09時09分

[北京/天津 26日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱が国民投票で決定したことについて、中国政府高官から26日、発言が相次いだ。

楼継偉財政相は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の初の年次総会で、市場の不透明感が高まったと指摘。「ブレグジット(英国のEU離脱)の決定は世界経済に影を落とす。その影響は今後5─10年にわたって及ぶだろう」と語った。

また、現時点での予測は難しいとした上で「市場はやや過剰に反応する可能性が高く、これを落ち着かせ、客観的な視点を持つ必要がある」と述べた。

一方、国家発展改革委員会の徐紹史主任は、天津で開催された世界経済フォーラム夏季ダボス会議で、中国企業は対英投資について、離脱の影響を見極めてから決めたいと思うだろう、と発言。

ブレグジットは投資、貿易、資本の面で中国経済に影響するとしつつも、「影響はさほど大きくなく、政府の関係部署はすでに危機管理策を用意してある」と語った。

同じ会議に出席した中国人民銀行(中央銀行)の元金融政策委員で清華大学教授の李稲葵氏は、中国はブレグジットの影響を最も受けない国の一つとの見方を示し、「唯一考えられる短期的な影響は人民元の為替レートだが、それも数営業日以内で急速に収まるだろう」と語った。

2008年の金融危機を予測したことで知られる経済学者のヌリエル・ルービニ氏も夏季ダボス会議で講演し、ブレグジットがEUやユーロ圏、英国の「崩壊の始まり」を意味する可能性を指摘。その上で、ブレグジットの影響は大きいが、先の金融危機ほどではないとみられ、世界的なリセッション(景気後退)や新たな世界金融危機につながるとは考えていない、と述べた。

*内容を追加しました。

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