英金融機関、EU離脱で「パスポート」失うリスク=仏中銀総裁

2016年6月26日(日)18時53分

[パリ 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は25日、欧州連合(EU)からの離脱に向けた交渉において、英国が欧州市場へのアクセスを引き続き確保できなければ、英金融センターのシティは現在享受している「EUパスポート」を失うことになる、と述べた。

ロンドンに拠点を置く銀行は、「EUパスポート」と呼ばれる制度の下で、制限を受けることなく欧州の資本市場で業務を行っている。

同総裁は「英国がEUから離脱すれば、ロンドンの金融機関はこのパスポートを持ち続けることはできないし、クリアリングハウスもロンドンに存在していることはできないだろう」とフランスのラジオに述べた。

また、不透明性を最小限にするため英国のEU離脱交渉は速やかに行うべきだとし、「前例がある。ノルウェーモデルなら英国は単一市場へのアクセスを維持できる。しかし、すべてのEUルールを順守すると確約する必要がある」と語った。

さらに、「EUを離脱する一方ですべてのルールを順守するというのはやや矛盾しているが、英国が単一市場へのアクセスを維持したいのであればひとつの解決策だ」とした上で、もしこの方法がうまくいかなければ、パリを含む他のユーロ圏の金融センターにとってチャンスだと指摘した。

一部の銀行はすでに、英国がEUから離脱すれば英国での業務をユーロ圏に移す意向を示していた。

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