NY市場サマリー(24日)

2016年6月25日(土)09時08分

[ 24日 ロイター] - <為替> 英国が欧州連合(EU)離脱を決めたことを受け急落していた英ポンドがやや地合いを回復した。イングランド銀行(英中央銀行)をはじめ主要中銀が金融市場沈静化に向けた姿勢を表明したことが背景。

ドル/円は一時99.11円と、約2年半ぶりの安値を更新。終盤の取引では3.6%安の102.27円となっている。市場関係者は、政府・日銀が外国為替市場に介入するのではないかとの観測が出ていることで、円の上昇には歯止めがかかっているとしている。

チャプデレイン・フォーリン・エクスチェンジ(ニューヨーク)のマネジング・ディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は、「各国中銀が市場の沈静化に努めたことで、市場は落ち着きを取り戻した」と述べた。

<債券> 英国が欧州連合(EU)離脱を決めたことを受け安全資産としての米国債に買いが入り、米国債価格が急上昇した。

米国債はオーバーナイトの取引で大きく買われたが、米取引時間帯ではパニック的な買いは収束。リーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネジメント・アメリカのシニア・ポートフォリオマネジャー、ジャスティン・タベリオーネ氏は、「米市場開始時は取引に売りも買いも見られ、より均衡のとれた状態になっていた」としている。ただ同氏によると、この日の米国債の売買高は通常の約4─5倍だった。

英国のEU離脱決定を受け、米連邦準備理事会(FRB)は利上げに向け一段と慎重になると予想される。前出のタベリオーネ氏は、「英国がEU離脱を決めたことで、第3・四半期にFRBが利上げに動く可能性は低下した」としている。

<株式> 大幅に反落して取引を終えた。英国の欧州連合(EU)離脱の決定は市場に不意打ちとなった。S&P500種指数はここ10カ月で最も大きな落ち込みとなり、前年末の水準を下回った。市場関係者の多くは来週も相場の乱高下が続くとみている。

週間ベースでは、S&Pとダウがともに約1.6%低下し、2月以来の大幅安だった。ナスダックは約1.9%低下した。週間ベースの値下がりが比較的小さかった背景には、英国民投票を前にした前週末の世論調査でEU残留派が勢いを増していることが示されたことがある。これを受け株価は前日まで値を上げていたからだ。

多くの市場参加者は、幅広い銘柄が値下がりしたことは、様子見の投資家が徐々に株式投資を増やす好機だと指摘。市場では、英国の離脱を受け連邦準備理事会(FRB)は今年利上げを見送ると予想し「マーケットにとっては良いことだ」とする声も聞かれた。

<金先物> 英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて急反発した。上伸は6営業日ぶり。8月物の清算値は前日比59.30ドル高の1オンス=1322.40ドルと、中心限月の 清算値ベースでは2014年7月11日以来約2年ぶりの高値を付けた。

<米原油先物> 英国民投票での欧州連合(EU)離脱決定を受けてリスク回避目的の売りが強ま り、大幅反落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は前日比2.47ド ル(4.93%)安の1バレル=47.64ドル。9月物の清算値は同2.45ドル安の 48.31ドル。

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