4月世界航空需要伸び鈍化、治安への懸念や景気減速で=IATA

2016年5月31日(火)03時04分

[ベルリン 30日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)が30日公表したデータによると、4月の世界航空需要は4.6%増加したものの、2015年1月以来の弱い伸びにとどまった。3月に発生したブリュッセル同時爆発攻撃が重しになったとみられる。

世界の航空各社は原油価格下落の恩恵を受ける半面、治安への懸念に加え、世界的な経済減速や航空運賃の下落といった課題に直面している。

IATAの首席エコノミスト、ブライアン・ペアース氏は、航空会社の業績がまずまずの内容となることが依然見込まれているとしつつも、「世界経済の脆弱性はより大きな懸念だ」と指摘した。

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の可能性や米大統領選の行方も懸念要因とみられる。とりわけ欧州の航空会社は、ブレグジットが旅行需要を下押しする恐れがあると警告してきている。

IATAによると、航空運賃は今年初めに約4%下落し、今後も一段安になる見通しだ。

これまでにデルタ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の親会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)、ルフトハンザ航空などの航空大手は軒並み、価格維持に向けて成長目標を引き下げている。

6月1─3日にダブリンで開催されるIATAの年次会合では、治安問題への対処や安全強化が主要議題となるほか、二酸化炭素排出削減に向けた取り組みなどについて協議される見通し。

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