円安加速し111円台半ば、増税延期や米早期利上げ観測で=欧州外為市場

2016年5月31日(火)02時53分

[ロンドン 30日 ロイター] - 終盤の欧州外為市場では、ドルが対円で1カ月ぶり高値をつけた。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の前週末の発言で早期利上げ観測が高まっているほか、安倍晋三首相が消費税増税を2年半延期する意向を固めたと伝わったことがドルの追い風となった。

安倍政権は今後、景気対策を盛り込んだ補正予算案を編成する見通しで、これに続き、日銀が追加緩和を打ち出すとの見方も円の売り圧力となっている。

ただ、英米がともに祝日で休場のため、商いは低調だった。

ドル/円は4月下旬以来初めて111円を突破。欧州時間には1%高の111.455円をつけた。

主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は0.2%高の95.695。

ユーロ/ドルは0.2%高の1.1140ドル。アジア時間に2カ月半ぶりの安値となる1.1097ドルに下落したが、ドイツの消費者物価指数(CPI)統計が予想を上回ったことで、欧州時間に入り持ち直した。

ノルディアの為替ストラテジスト、ニールズ・クリスチャンセン氏は、イエレン議長の発言で6月か7月の利上げの可能性が高まったが、「多くは今週発表の指標に左右される。強い内容ならドル買い圧力が高まるのは間違いない」と話す。

今週は6月1日に5月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数、6月3日に5月の米雇用統計が発表される。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1137 1.1122

ドル/円 109.85 111.35

ユーロ/円 122.32 123.85

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