ドル111円前半に上昇、株高・消費増税先送りの思惑で

2016年5月30日(月)15時21分

[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、ドル高/円安の111円前半だった。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の27日の発言がタカ派的と解釈され、米早期利上げ期待が一段と高まったことや消費増税先送りの思惑が広がったことを受け、4月28日以来の高値圏に上昇した。

ドル/円は朝方から午後3時にかけてじりじり上昇し、一時111.33円と約1カ月ぶりの高値をつけた。チャート的に節目とみられていた5月20日高値110.59円をあっさり上抜けたことで「じりじりドルショートがあぶり出された。輸出勢のドル売りがそれほど出ていないので買い上げている感じもある」(国内金融機関)との見方が出ていた。

この日は、ロンドン、ニューヨーク市場が休場のため、東京市場終盤に向かういずれかの時点で、利益確定売りが流入する可能性があるという。「流れで上昇しているが、朝方の安値110.30円台から1円程度上昇したところでは止まりそう」(同)という。

<消費増税の先送りはある程度織り込み済みか>

イエレン議長は27日、経済成長が想定通り継続し雇用創出が続けば「FRBが時間をかけて緩やかに、かつ慎重に金利を引き上げることは適切だ。今後数カ月に利上げすることがおそらく適切となる」と述べた。

市場では「イエレン氏はいつも同じことを言っているが、なぜ毎回市場の受け止め方が違うのかが疑問」(FXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏)との意見も聞かれた。

上田氏は「消費増税の先送りは円安材料だが、為替市場はそれを先取りして、既にある程度は織り込んでいる」とは述べ、「ここからどんどんと円安が進むという感じではない」とみている。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 111.29/31 1.1103/07 123.57/61

午前9時現在 110.77/79 1.1107/11 123.04/08

NY午後5時 110.22/25 1.1110/16 122.56/60

(為替マーケットチーム)

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