今後数カ月の利上げ、おそらく適切=イエレン米FRB議長

2016年5月28日(土)06時08分

[ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 27日 ロイター] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は27日、経済成長が想定通り継続し雇用創出が続けば、FRBは今後数カ月に利上げすべきとの認識を示した。

発言を受け、6月または7月の利上げの可能性が高まった。

イエレン議長はハーバード大学での講演で「FRBが時間をかけて緩やかに、かつ慎重に金利を引き上げることは適切だ。今後数カ月に利上げすることがおそらく適切となる」と述べた。

経済成長やインフレ見通しに対して過去より自信を深めている様子をうかがわせた。

「経済は引き続き改善しており、成長は上向いているようだ」と指摘。労働市場はかなり改善したが、今後も一段の伸びを示す可能性があり、改善が続くと見通した。

インフレ率が目標を下回って推移する要因となっていた原油安とドル高をめぐっては、議長は「現時点でおおむね落ち着きつつあるようだ」との認識を表明。「インフレ率は向こう数年で2%の目標に回帰すると想定している」とした。

ただ、「賃金の伸びに関してはあまり改善が見られず、労働市場に緩みが残ることを示唆している」とも述べた。

過度に急激な利上げには、慎重を期す姿勢を示した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が、0.25━0.50%の低水準にある現状を踏まえれば、利上げが景気低迷を招くなどした場合、対応の余地が限られると指摘した。

議長発言を受けて、米国債価格が下落、株式相場は上昇した。ドルは通貨バスケットに対して高めに推移した。

またCMEグループによると、短期金利先物が織り込む6月14━15日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は30%から34%に上昇。7月26━27日会合での利上げ確率は60%と、1カ月前から倍以上の水準に高まった。

独保険大手アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は、議長発言について「他のFRB当局者が最近示唆していた早期利上げのシグナルを一層強めた」と分析した。

*内容を追加して再送します。

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