生保3社、今期末のドル/円は円安と予想 低金利が業績の重しに

2016年5月26日(木)17時22分

[東京 26日 ロイター] - 日本生命[NPNLI.UL]、明治安田生命[MEIJY.UL]、住友生命の生保3社は26日、決算会見を行い、2017年3月期業績の前提となるドル/円相場について、期末には現状の109円後半より円安に振れるとの見方を示した。一方、低金利の長期化が各社の業績に影を落とし、日本生命、明治安田生命は今期、事業法人の営業利益に当たる基礎利益が減少すると予想した。

住友生命は、今期末のドル/円を112円と予想。期中は100円―118円のレンジで推移するとみている。会見した古河久人常務は、米国の利上げや英国のEU離脱問題など今期は不確定要素が多く「ボラティリティーは非常に高い」と予想。円高局面ではオープン外債への投資も検討するとした。

日本生命の今期末のドル/円の想定レートは115円。佐藤和夫財務企画部長は「相場の上下の振れ幅が非常に大きくなっている」として、政治イベントのタイミングで、一定程度は円高に進む可能性があるとの見方を示した。ただ、米国の利上げ予想を背景に「緩やかながらも円安基調に戻っていく」と予想した。

また、明治安田生命は今期末のドル/円の予想レートを113円と明らかにした。

<低金利の長期化>

各社とも、低金利の長期化が引き続き業績に影を落とす。日本生命は17年3月期、基礎利益(連結)が減少すると予想する(金額は非公表、前期は7076億円)。児島一裕常務は「超低金利の状態が深く、長く続けば続くほど累積的に影響が大きくなる。将来、逆ザヤになることも懸念される」と警戒感を示した。

明治安田生命も17年3月期は減益予想。基礎利益(単体)は4300億円程度(前期は4599億円)と見込む。荒谷雅夫常務は「低金利が継続した場合、予定利率の見直しや販売休止に加え、商品の魅力度低下による影響も懸念される」とし、「既存商品の改訂など商品開発面での対応も必要になる」と述べた。

一方、住友生命は17年3月期の基礎利益(単体、変額年金保険に係る標準責任準備金の繰入額等・戻入額等の影響を除くベース)を横ばいと予想(金額は非公表、前期は3244億7900万円)。

同社はマイナス金利の深掘りなど日銀の追加緩和が見込まれることを業績予想に反映。低金利の長期化が収益を圧迫する半面で、前期に好調だった新商品「1UP」などが業績を下支えするとみている。

*内容を追加します。

(和田崇彦)

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