タカタ外部専門委、KKR含む複数ファンドと接触=関係筋

2016年5月26日(木)20時06分

[東京 26日 ロイター] - エアバッグ部品の大規模リコール(回収・無償修理)で経営悪化が懸念されるタカタの再建計画を策定している外部専門家委員会が、スポンサー選定のため、米大手投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)を含む複数のファンドと接触していることがわかった。

複数の関係筋が26日明らかにした。

関係筋によると、KKRは同委員会に支援に関して打診したが、委員会は他のファンドとも接触しており、スポンサーとして「KKRが有力という認識はまだない」という。

タカタは2月に弁護士など外部有識者からなる同委員会を発足し、再建計画の策定を依頼。今秋ごろには計画案が出る見通し。同委員会は26日、米投資銀行ラザードを財務アドバイザー(FA)に起用したと発表、今後はスポンサーの選定作業を急ぐ。

KKRは世界有数の投資ファンドで、1989年の米食品・たばこ会社のRJRナビスコの買収で一躍有名になった。2013年にはパナソニックのヘルスケア事業を買収している。

タカタ製エアバッグをめぐっては、インフレーター(ガス発生装置)と呼ばれる部品が異常破裂し容器の金属片などが飛び散り、死傷者が出ている。このため、世界の主要自動車メーカーが問題のインフレーターを搭載する車のリコールを増やしている。

根本的な原因はまだ特定されていないが、湿気に弱いエアバッグを膨らませる火薬原料の硝酸アンモニウムが異常破裂につながるとみられている。米当局は湿気を防ぐ乾燥剤が入っていないインフレ―ターの搭載車をすべてリコールするようタカタに要請。この結果、インフレ―ターのリコール対象は世界で1億個以上になる見込み。

リコール関連費用については、タカタの最大顧客であるホンダが14年―15年度に計5560億円を計上、マツダが15年度に約407億円を計上するなど、業績を圧迫している。リコールを実施した自動車メーカーすべて合わせた同費用総額は約1兆円を超える見通し。

現時点ではメーカーがリコール関連費用をほぼ肩代わりしているが、メーカー側は原因相応の負担をタカタに求める方針を示している。タカタの現預金は16年3月末時点で537億円、自己資本は約1218億円。同委員会はタカタの支払い能力を超えるとみて、出資スポンサーを募り、メーカーにも費用分担で支援を求めている。

*内容を追加します。

(布施太郎、藤田淳子、白木真紀 編集:田中志保)

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