ドル109円半ばで方向感出ず、イベント控え手がけにくく

2016年5月26日(木)15時38分

[東京 26日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の109.61/63円だった。前日は上値が110円半ばで押さえられたこともあって朝方からドル買い機運は盛り上がらず、109円半ばに急落した後の戻りも鈍かった。あすのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などのイベントを控えて手がけにくい局面が続いた。

午前の下落を受け、午後は買い機運が後退し、方向感が出なかった。この数日は、欧州の主要株価指数が上昇してリスク選好ムードをけん引するケースが多いとして、ドル/円が110円に向けて上昇するには「ロンドン勢があらためてドル買いに動くかどうか」(国内金融機関)との声が出ていた。

朝方には、米株高の流れを受けて日経平均株価は高く寄り付いたが、ドル/円の上値は重かった。市場では「昨日もおとといも上値は同じような水準で抑えられているので、ドルを買っても妙味がない」(別の国内金融機関)との声が出ていた。

ドル/円は、110.10─20円台で推移していたが、午前9時過ぎにストップロスを巻き込むかたちで下げの勢いを強めた。実需のフローは売り方が優勢だったもよう。仲値を挟んで109.42円まで弱含んだ。

伊勢志摩サミットやイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などイベントもあり「基本的にはポジション調整。市場には積極的なプレーヤーがいない」(先の国内金融機関)との声が出ていた。

米WTI原油先物は、一時1バレル=49.93ドルまで上昇し50ドルに接近。昨年10月以来約7カ月ぶりの高値圏を推移した。原油価格の上昇は資源国通貨にはプラスだが、ドル/円へ作用するにはいったん株を挟まなければならず、即座に反応するのは難しい、との声が出ていた。

26日発表の5月ロイター短観(400社ベース)では、製造業DIが前月比8ポイント悪化し、3年ぶりの低水準となるプラス2まで落ち込んだ。円高でコスト低減の恩恵を受ける業種は改善したが、自動車や電機などが円高と需要減で大幅悪化した。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.61/63 1.1182/86 122.57/61

午前9時現在 110.12/14 1.1153/57 122.83/87

NY午後5時 110.20/22 1.1155/60 122.88/92

(為替マーケットチーム)

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